当院では鍼灸による「妊娠しやすい身体作り」をお手伝いをさせていただきます。
避妊しない通常の性生活がある健康なご夫婦では、6か月以内に65%、1年以内に約80%、2年以内に約90%が妊娠されています。
2年以内に90%ぐらいのご夫婦に赤ちゃんが授かるということは、約10%(10組に1組)のご夫婦は不妊症で悩んでいる可能性が高いということです。(最近では7~8組に1組とも言われています)
不妊に悩む人が増えている背景としては、女性の社会進出によって結婚年齢と出産年齢の上昇が1番の原因のようです。
女性の社会進出によって 子作りを考える年齢が高くなり、より多くのストレスにさらされています。
女性ホルモンは強いストレスなどで分泌に変化が起こりやすいので、 これらの理由からなかなか妊娠できなかったり、妊娠しても流産を繰り返す方が増えているのだと思います。
当院では東洋医学という観点から、心身のバランスを整え、健康な身体になることで、生殖機能も活発になり、妊娠しやすい状態になることを目指します。
肩こり、腰痛、冷え、疲れ、不眠など、ストレスによるささいな不調と思われがちな症状が、不妊の兆候であることも多いのです。
心身ともに健康になることが妊娠しやすい身体づくりになります。
すなわち、不妊治療をすることが、心身全体を健康にすることにもつながるのです。
そうすることで、自律神経のバランスが整い、自然治癒力を高めることで症状の改善が期待でき、リラックス効果も期待できますので、不妊治療にともなうストレスをやわらげ、ホルモンバランスを整えます。
<不妊鍼灸の過去の新聞記事です>
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2006年(平成18年)11月10日 夕刊 讀賣新聞より
『 不妊治療の効果 「針で」大幅改善 』
体外受精を5回以上行っても妊娠できなかった不妊症の女性114人に針治療を行ったところ、約4割にあたる49人が妊娠に至ったと、名古屋市の明生鍼灸院と明治鍼灸大の研究グループが10日、大阪市内で開かれている日本生殖医学会で報告した。
49人のうち4人は自然妊娠だったほか、30人は治療後1回目の体外受精で妊娠に成功したという。
不妊治療の専門家が集まる学会で、針治療による効果を示すデータが発表されるのは珍しい。
報告された114人の治療実績は、1998年2月~2006年6月に、同鍼灸院を訪ねた不妊患者のうち体外受精を5回以上行っても妊娠しなかった女性のもので、治療は、週1~2回のペースで行われ、腹部や足などにある婦人科疾患に効果があるとされるツボを針で刺激した。
2002年(平成14年)4月30日 夕刊 讀賣新聞より
『 ハリ治療で妊娠率アップ 』
体外受精の前後に、女性の体をリラックスさせるハリ治療をすると、妊娠率が大幅に向上するという研究結果を、ドイツと中国の研究チームがまとめた。
米生殖医療学会誌に掲載された報告によると、同チームは、体外受精を受ける女性百六十人を二グループに分け、一方には体外受精の際、受精卵を子宮に戻す前後にハリ治療を実施。残りのグループには、ハリ治療をせず通常の体外受精を行った。
その結果、ハリ治療グループの妊娠率は42.5%に上り、通常治療の26.3%を大幅に上回った。体外受精の妊娠率は、高くても三割程度とされ、繰り返し治療を受けるカップルの精神的、金銭的な負担が問題になっている。
妊娠率が向上する詳しい理由は分からないが、同学会のサンドラ・カーソン次期会長は「確実に検証されれば、妊娠率向上に役立つ手法になる可能性がある」と注目している。
さらに、2008年2月7日 英国医師会誌「British Medical Journal」オンライン版 に掲載された記事によると、体外受精を受ける女性が同時に鍼治療を受けると、妊娠の確率が65%高くなることが予備研究によって示されています。
体外受精の妊娠率は、高くても3割程度とされていたので、これには世界中から鍼灸治療に関する問い合わせが殺到したそうです。
<はり治療が不妊治療に有効であることを示す各国の論文です>
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●胚移植日にはり治療を行うと体外受精、顕微授精の妊娠率を上昇させる。
Fertility & Sterility(アメリカ生殖医学学会誌)2006年 デンマークからの発表
273例を研究対象とし、はりを行わない群では22%の妊娠、はり治療群では36%の妊娠率であり、
はり治療群に有意に妊娠率が高かった。
●体外受精例と顕微授精例の黄体期にはり治療を行うと妊娠率が有意に高かった。
Fertility & Sterility(アメリカ生殖医学学会誌)2006年 ドイツからの発表
225例を対象とした。針を行わなかった群では13.8%、行った群では28.4%の妊娠率で、
はり治療群に妊娠率が高かった。
●体外受精例に針治療を3回行い、はり治療群に妊娠率が高かった。
Fertility & Sterility(アメリカ生殖医学学会誌)2006年 オーストラリアからの発表
228例を対象に、HMG(排卵誘発剤)注射時、採卵前、採卵直後に針を行った。
行わない群では23%、はり治療群では31%の妊娠率であり、有意差はなかったが、
はり治療群に妊娠率は高かった。
●体外受精と併用されたはり治療は妊娠率を向上させる
British Medical Journal 2008年
アメリカからの発表(メリーランド大学、ジョージタウン大学産婦人科)
過去の7件の臨床試験のデータをまとめた。はり療法を併用した胚移植は、はり治療を受けた群の
臨床的妊娠は1.65倍高く、継続中の妊娠は 1.87倍、生児分娩率は1.91高く、はり治療は妊娠率の高さと
関連していた。
鍼灸治療によって妊娠率が向上する科学的な理由はまだ分かっていませんが、鍼灸治療は卵巣や子宮だけでなく全身の機能を改善し、結果的に子宮などの局所循環だけでなく、全身の血行循環やホルモンバランスをよくし、子宮内に胚が着床しやすい状態に導くことが推察されます。